まず、気体には大きく分けて2つある。
「理想気体」か「実在気体」かである。
それぞれどのような特徴があり、どのように扱うのかを述べようと思う。
理想気体
理想気体とは、「理想気体の状態方程式」に厳密に従う気体である。
なお、理想気体の状態方程式を以下に示す。
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この「理想気体の状態方程式」に従うか否かは、理想気体か実在気体を判別する1つの目安になる。
なにはともあれ、この「理想気体の状態方程式」には高校時代からお世話になるため、馴染みがあるのではないだろうか。
この理想気体の扱い方については、高校化学を学習すれば十分すぎるということで、説明は端折らせていただく。
実在気体
実在気体とは、「理想気体の状態方程式」に従わない気体である。
あえて、実在気体と理想気体の定義がマッチするようにした。
より詳細に述べるならば、低温・高圧域において「理想気体の状態方程式」の精度は低い。
つまり、低温・高圧域ならば実在気体として扱うのが適切である。
分子間引力や分子サイズを考慮しなければならない実在気体。
実在気体の状態方程式は、理想気体のように単調ではなく、その分数も多くある。
その代表例を以下に示す。
- van der Waalsの状態方程式
- van der Waalsの状態方程式の改良版
- Virialの状態方程式
- 圧縮係数を補正係数とした状態方程式
理想気体と実在気体の判別方法
さて、気体には「理想気体」「実在気体」の2つに分類されることを述べた。
よって、これから先、気体のP-V-T関係を明らかにする機会があるならば、まずはその気体をどちらとして扱うべきかを判断しなければならない。
では、どうやって判別すれば良いのか。
その1つの基準となるのが、臨界定数である。
「臨界定数」と比較して、その物質はいまどんな環境にあるのか。
高温・低圧域ならば「理想気体」。
低温・高圧域ならば「実在気体」。
このように、臨界定数と比較して、どのような環境にあるのかという判断方法があるということを念頭に置いていてほしい。
なお、「臨界定数」は非常に大切な概念かつ値である。
今回のように、理想気体と実在気体の判別に用いることが出来るほか、様々な場面で登場する。
臨界点は、物質によって変わる物質依存値である。
換言すれば、物質に固有な定数である。
まとめ
本記事では、気体の数ある状態方程式を大雑把に紹介してきた。
それぞれの状態方程式の詳細については、別ページでまとめている。
よって、本記事は「気体の状態方程式」の目次・道しるべとして利用してほしい。
理想気体の状態方程式については、端折ることをもう一度確認しておこう。
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